#232
令和3年1月1日

東の浜の日の出 撮影:大河内明彦 
このページは女将が毎月更新して唐津のお土産話やとりとめもないおしゃべりをさせていただくページです。他の方の参加も歓迎です。バックナンバーもごらんください。
(2019年より、寄る年波で、年に数回の更新になりました。 取材や原稿、写真などを引き受けてくださるかたがあれば、いつでも更新いたします。お申し出をお待ちします。)


    新年ご挨拶


 皆様、明けまして、おめでたいのかどうかわかりませんが、新しい年に希望を持ってがんばっていきましょうという意味で、新年のご挨拶をいたします。昨年一年間、コロナに翻弄され、蹂躙され、もう散々なことでございました。まだまだ続きますそうで、外出もせず、会いたい人にも会えず、忍耐の日々でございます。皆様は御無事でいらっしゃいますか。

 いくつかの旅行の計画を取りやめ、こちらに来て下さる予定もすべて取り消されました。市内のコンサートや催しものも中止、楽しいことはぜ~んぶ取りやめ。旅館のほうも自粛休館や予約9割減で灯が消えました。GO TO には振り回されるし、間でいくらか助かりましたが、このあと、どうなりますやら。

 でも、愚痴ってばかりいられないので、この一年の私の歩みをおはなししましょう。

 1月からコロナで世界が騒ぎ始め、2、3月からキャンセルが相次ぎ、特に私の担当であった外国人客がゼロになりました。外国からのメールも途絶え、私が対応すべき仕事がなんにもなくなってしまって、居ても居なくてもいいような状況。心配が胸いっぱい。なんでも世間にはコロナ鬱というのが流行っているそうな。そうならないために、家庭菜園をやってみようと思い立ちました。

 幸い空地は周囲にいくつもあります。まず耕さなくちゃ、と長靴はいてクワを担いでいざ出陣。クワを振り下ろしたとたん、ガチャッという音。まあ、花咲爺さんの隣の欲ばり爺さんみたいに、瓦や瀬戸欠けザックザックザックザク。4、5回クワをふるっただけで、早々にギブアップ。あ、そうか、ここは、前に倉庫が建ってたところで、老朽化したので取り壊した場所であったのだ。こりゃいかん。他を探したけど、似たようなもの。土が柔らかいところは、日がまったく当たらず、湿地のようなもの。だめだ、こりゃ。

 ここであきらめたら、女がすたる。で、プランター菜園に切り替えました。旅館の食材の発砲スチロールの空箱が、いくつも見つかって、底に穴を開けて、土と種は買ってきて、早速播きましたよ。日当りのいい、瓦礫の土地に置いて、せっせと水やり。

 
 
すぐに芽が出たのは、「玄界灘 鰺の干物」と書いた箱の、二十日大根。サラダにする日を夢見つつ、毎日声かけ、歌も聞かせて、成長を促す。ほんとに一月足らずで7、8個採れました。大きさはまちまちでしたが、自分では大満足。生まれて初めて農作業をしたのですから。赤くて、それは可愛い!
その後、どうなったかって?一回サラダにして、後はさっぱりできませんでした。それで終わり。
 
 ミツバは成功して、長く楽しみました。「下仁田ネギ」の箱がよかったかも。小さい葉がびっしりでしたけど、いっぱい繁ったので、毎日お吸い物やみそ汁に入れました。ほんとは間引きをしなければ大きくならないのに、かわいそうで抜けず、密集させたのがいけなかったのですね。皆さん、三密を避けましょう。

 小ネギは芽が出ませんでした。まったく!どういうつもりなんだろう、この種たちは。「よく芽が出る」といううたい文句の種を買ったのに。種を播く時期がちがったのかも。

 ミニトマトはミニミニくらいのが5個なりました。小さいくせに皮が固くて、まずかったです。そのあと、実が赤くなりかけると、アリさんがたかって、全滅しました。アリにはよほどおいしかったのだろうと思うことにしました。

 ピーマンは2個、チャボの卵くらいのがなりましたが、それっきりでした。

 キュウリは小指くらいのが3個なったけど、大きくならなかった。天はわたしに味方したまわず、私の菜園の夢はついえました。あ、ナスビがあった。立派に大きくなったと思ったら、裏側をしっかり虫が食ってましたのよ。あ~あ。

 でも、夏までそれで楽しんだといえば楽しみました。学んだことといえば、農業は大変だ、農家のみなさんありがとう、ということ。いい経験でした。おかげでウツは免れました。

 そのあとは、東の浜を散歩することを日課にしようと決心して、5日くらい実践しました。三日坊主でなかったから褒めてください。砂地を歩くのって、脚が大変なんですよ。10分も歩くと息が上がります。
秋が来て、冬が来て、コロナは終息しそうもないし、もやもやと将来の不安にさいなまれつつ、ついに新年を迎えました。まだまだ拡がるという説と、頭打ちになるという説と、テレビやネットでいろいろ言われるので、私はどうしたらいいのでしょうか。

 ともかく、令和3年を生き抜く覚悟で、実は少々体調が問題なのですが、休養期間と思って管理しつつ、トンネルを抜けるのを待ちましょう。辛い時にいつも自分に言って聞かせることばを皆様に贈ります。
 
    Every cloud has a silver lining!


 では、またいつかお会いしましょう。ご安全にお過ごしください。
 

 私の好きな歌 
Look for the siver lining
いろんな歌手が歌ってるけど、チェット・ベイカーが一番好きです。

Look for the silver lining
When e'er a cloud appears in the blue
Remember somewhere the sun is shining
And so the right thing to do
Is make it shine for you

A heart full of joy and gladness
Will always banish sadness and strife
So always look for the silver lining
And try to find the sunny side of life

 

今月もこのページを訪れてくださってありがとうございました。またお会いしましょう。
                              洋々閣 女将 大河内はるみ

   
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