降ったり 吹いたり
台風さなかの旅行記
前に15回日本に来てるが、台風にでくわしたのは初めてだった。思い返せば、今回の日本旅行はスタートからのろわれていたようだ。
住んでいるタスマニアのバーニー空港からメルボルンへ飛ぼうと空港へ行ったら、メルボルンの濃霧のせいで飛行機が遅れるという。これでは、日本行きの便に間に合わないのではないかと心配したが、クアラルンプールから関西空港への到着が30分おくれながらも、なんとかうまくいった。
到着後京都の駅でいくつかの旅程を予約しようとしたら、台風のため九州の佐伯と大分間の路線が被害を受けたと知らされた。これは大きな問題だった。宿毛からフェリーで渡るつもりだったからだ。バスもあるが、それでは唐津へ着くのが間に合わない。それで計画のまったくの変更を余儀なくされた。ハルミさんのヘルプで宇和島にもう一日泊ることにした。そのホテルでは英語が通じず、私の日本語では電話での会話はむつかしかった。
なんとか最後にはうまくいきそうになったが、次の台風が接近しているという知らせを聞いた。
中津川に友人を訪ね、5週間前に生まれた赤ん坊を見る。そこにいる間に奇岩の女夫岩のある桃山公園を見に行った。
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左からヨウヘイ、アン、ソフィー、さやか 奇岩 女男岩 !
そこから東京の近くの豊洲へ向かう。25年以上も前にホームステイをした”日本の娘”に会いに。そこにいる間に、「小津和紙作成」の体験をさせてもらった。
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松尾家
小津和紙製作所のスタジオで。.
次に砂丘を見に鳥取にむかう。ところが、台風が接近中だという。幸運にも予定通り鳥取に到着。天気はというと、まさに極悪非道なり。強風、豪雨。砂丘に出て見るなどという話じゃない。
翌朝やっとこ駅に行ってみたら予約していた萩行きは出ないとの事。4時間くらいすれば、出るかもしれないという。結局、出たが、4時間後に着くはずの益田に6時間かかって到着。つまりこれは、私たちがその日の予定の萩に到着するのは不可能だということ。幸い駅長さんがJR払いで4人の客を萩までタクシーで送ってくれた。どうやらホテルにたどりついたものの、時間が遅くてレストランが開いていない。遠くまで歩いて夕食のサンドウイッチを買ってきた。台風ってやつは、まったく!
次の日は天気は回復に向かい、萩の散歩を楽しんだ。
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城下町萩の旧道
円政寺にて
萩から津和野へ行った。いくつかの寺と神社に詣でたが、そのうちの一か所、山の上の神社に着くのに鳥居をくぐって253段の石段を上がるはめになった。
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こんな石段を253段あがった。 登る途中にあった小さな御稲荷さま。
津和野から松江に向かう。松江城と宍道湖のほとりで気持ち良い数日をすごした。
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大橋川沿い
松江城
次に松山に向かうときに天気は崩れ始めた。翌日は激しい雨が叩きつけ風も吹き荒れた。
私たちはびしょぬれになったが、それでも城に登った。なに、天気なんぞに私の計画は変えられないのだ。
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松山城へ上がるケーブルカーの中から。 城には歩いて登る。
城から下りる途中でスージー・クーパーの陶磁器をショーウインドーに展示してある店を見つけた。アンは60年近くも前にイギリスでスージー・クーパーの販売をしていたことがある。タスマニアではなかなか見かけない作品なので、入ってオーナーと少しおしゃべりをした。
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ミゼラブルな天気の中で松山を見下ろす。 スージー・クーパーの器。
ぬれた靴が乾くまで3日もかかった。幸いにも午後には雨のやつも息絶えて、そこから旅の最終日まで晴れが続いた。
次の予定地の宇和島ではほぼ3日過ごした。そこでは楽しかった。松山から到着した最初の日、宇和島は前日の闘牛の祭りの次の日で、どこも閉まっていた。それで、小さいながらも大変結構な城に上がってみた。
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宇和島城
城の上から町をみおろす
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翌日、八幡浜へ出向いた。景色を見るのと、もうひとつは別府行きフェリーの予約をしようと思ったからだったが、なんと当日でないとチケットが買えないという。しかしチケット売り場の女性は大変親切で、チケットを買うときに必要な書類をみな記入することができた。宇和島に戻って、和霊公園を抜けて須賀川にいたり、いくつかの神社仏閣を見物した。その中で、浄念寺は私たちが日本で訪れた寺の中で最も美しい寺の一つであった。
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浄念寺
浄念寺
翌日バスで南楽園に行く。この時期はこの庭園を見るのに最適な時期とは言えない。4年前にもここを訪れたが、その時は四月で、桜が素晴らしかった。今回は色彩がなく、建築工事がたくさん行われていた。
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南楽園の一部 .
工事中の部分.
翌日フェリーに乗って八幡浜から別府へ渡り、電車に乗って洋々閣のある東唐津へ。その翌日が唐津くんちの曳山のパレードのある日である。私たちは曳山はもう何度も見たので、有田に行くことにした。有田の町は休日ではあったけれどもすこぶるナイスで、アンは陶磁会館をとても楽しんだ。
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有田のある店。 レンガで作られたトンバイ塀
夜になって洋々閣へ戻って、祭りの宴を楽しんだ。年毎に盛大になるようだ。
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宴席の余興 アンも大いに楽しむ。
翌日、我々は金沢に戻る。大好きな”しばふね(生姜煎餅)”の1年分のストックを買うために。金沢から京都に戻って、学生時に息子のところに交換学生として1年間ホームステイしていた建築家にちょっと会って、翌日タスマニアに帰る飛行機に乗った。これで不運は終わりかと思いきや、メルボルンからタスマニアへ戻る飛行機が2時間以上遅れた。機長が病気になって、交替者を探すのに手間取ったのだそうだ。
まあ、そうは言っても、珍しい体験をいろいろしたので、良い旅であったとしようではないか。
次は北海道だ。