#136  2011年7月

このページは女将が毎月更新して唐津の土産話をお伝えします。
地元のかたに書いていただくこともあります。






発足・唐津人形浄瑠璃保存会


 難しい問題が山積しているこの頃ですが、いかがお過ごしですか。
今月は、「唐津人形浄瑠璃保存会」の発足のお知らせです。ご協力のほうもなにとぞよろしくお願いします。



 
 私が親しくさせていただいている竹本鳴子大夫は、前にもこのページでご紹介しましたが、九州ではただ一人の浄瑠璃指導者として、九州全域の人形芝居や村歌舞伎の指導に当たっておられます。その毎日は息をつくひまもないくらい。ほっそりしたお身体のどこにそんなエネルギーがあるのだろうかと驚くほど精力的に駆け回っておられます。
 その鳴子大夫の悲願は、近松ゆかりの唐津の地に、人形浄瑠璃を根付かせたいというものでした。大夫のお弟子は多いのですが、なにせ人形が無く、いつも公演の時には福岡県や長崎県の保存会から来てもらうばかりでした。

 今回、県や市の御協力もあり、なんとか唐津人形浄瑠璃保存会が発足しました。2011年6月5日に私ども洋々閣の広間にて発足式があり、各地からのお祝いの公演がありました。その模様を写真で御披露します。


「唐津人形浄瑠璃保存会」会長 竹本鳴子のご挨拶。

続いて県知事、県会議員、唐津市長祝辞のあと、顧問の藤崎伸太先生の祝辞。

上演の最初は「阿波の鳴門」。
長崎県の皿山人形浄瑠璃保存会のみなさんです。

語るのはこの3月に名前を貰って「竹本友美」となったまだ10代の美しい大夫。
鳴子大夫の愛弟子で、唐津のホープです。

上演の2番手は同じく長崎県皿山人形浄瑠璃保存会の「生写朝顔話」(しょううつしあさがおにっき)。

朝顔日記を語る鳴子大夫。

鳴子大夫の師匠の人間国宝・鶴澤友路大夫からいただいたかみしもを飾りました。

お料理も準備整って。

パーティの始まり。

福岡県今津人形芝居保存会からのお祝儀上演「戎舞」。
「大震災からの復興を祈って一杯、唐津人形浄瑠璃保存会の発展を祈ってもう一杯・・・」 えびすさんが酔っ払います。

「壺坂霊験記」を語る皿山の保存会、西浦美代子さん、松尾みどりさん、三味線は鶴澤鳴庄さん。

霊験記のクライマックス、目が開いた沢一とお里の喜び。
このあとも大分県国見歌舞伎保存会の「白波五人男」と唐津の民謡「松浦潟」の踊りがありましたが、写真が取れませんでした。ごめんなさい。こうして祝賀会のプログラムを終了しました。

発足式の記念写真
前列の赤い振袖が新しい大夫・竹本友美さん、その斜め後ろの一番目立つ所に座ってしまったのが私(一応、顧問です)、私の後ろの黒紋付が鳴子大夫。

 

 
近松門左衛門ゆかりの唐津に人形浄瑠璃の灯がともりました。素晴らしい指導者と若い演奏者たちがそろっているのです。でも発足はしたもののゼロからのスタートです。募金活動から始めて、人形を買わなければいけません。いい人形が買えますように、皆様の浄財をお待ちします。子供たちに始めさせる準備はいくつかの学校で始まっています。子供たちが郷土を誇りに思うような教育と伝統文化の継承を鳴子大夫は願っています。どうぞご協力下さいませ。

 

お鶴もお願い致します。

 
また来月お目にかかりましょう。
    



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また来月もお待ちしています。



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