大河内明彦

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    #1 御挨拶
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2010年10月





スペイン アンダルシア旅行



 秋風がようやく疲れたからだにやさしく感じられます。
今月号は少し遅くなりましたが、洋々閣社長・大河内明彦がこの6,7月にアンダルシア旅行をしたときのフォトジャーナルです。お珍しくもないでしょうが、ホテルも決めずに気ままな77歳の一人旅にあきれながらご覧ください。4週間行って来て1700枚の写真を撮ってきましたが、しぼりにしぼって50枚ほどにしました。パソコンがパンクしかかって、大変でした。
では、ごゆっくりどうぞ。






Andalucia
大河内明彦

喜寿記念に6月19日から7月12日、スペインを放浪して来ました。初めて訪れる国で英語が殆ど通じないと聞いていましたので現地に着くまでは不安でしたが、着いてみて、言葉は出来なくても旅はできるんだと実感しました。治安も心配するほどではなく、気儘に楽しんできました。唯一つ困ったことは私の所持するクレジットカードが、国鉄や空港では通じるのに、レストランや一般商店で通用しなかったことです。それまで、キャッシングもした経験がなかったので、限られた持ちあわせの現金で滞在中の生活費を割り当てなければなりませんでした。
今回は、スペイン旅行のうち、アンダルシア地方のについてのフォトジャーナルです。

6月21-22 Cordoba
前日、マドリッドに一泊、朝早い高速鉄道AVEでコルドバに来ました。旅の実質的第一日目でもあり、もの珍しさであちこち飛び回りました。


泊まった宿はメスキータの横で、ユダヤ人哲学者マイモニデスにちなんだ名前でした。
街のシンボルと云うべきメスキータはイスラムとキリストの2宗教が共存する不思議な建物でした。
建物内は何百本もの円柱が林立していて赤レンガと白い石を組み合わせた馬蹄形の二重アーチが天井を支えています。
円柱の森の中央に建てられたカテドラル。中央身廊の両サイドに17世紀のパイプオルガンが設置されています。
防衛施設として14世紀に建てられたカラオラの塔は、現在は博物館として使用されています。
塔から見たグァダルキビール川にかかったローマ橋、及び、旧市街地。
有名な撮影スポットの一つ、ユダヤ人街の中の花の小路。
迷路のようなユダヤ人街をさまよいながら、やっと探す事が出来ました。
路地の先にミナレットがあるのですが、よく見えますか。
中世の城壁沿いに走るカイルアン通りと、哲学者であり医学者のアペロスの像。
アルカザールの庭園。
20世紀になって荒廃した畑を美しい庭園に生まれ変わらせたそうです。複数の池と貯水槽があり、アラブ文化の美的感覚における水の重要性が伺えるそうです。

June22-25 La Alhambra
この旅の目的の一つがアルハンブラ宮殿を見ることでした。最初の日はグラナダの市街地に泊まり、あとの二日はアルハンブラの中にあるホテルアメリカに宿を取りました。この日の夜と次の日の朝のアルハンブラ宮殿の見学をあらかじめ予約していました。
アルハンブラに行く前日、アルバイシン地区を散策。サンニコラス広場からアルハンブラ宮殿を眺めました。
アルバイシンに行くにはアルハンブラバスが便利です。狭い石畳の道路を揺られながら行きます。
ヌエバ広場からダロ川に沿ってトゥリステス通りへ行くダロ通り。途中アラブ浴場跡やサンタ・カタリナ・デ・サフラ修道院などがあります。


ホテルアメリカでは食堂兼パティオに面した2階の部屋を取りました。客の声が静まったのでそこで夕食をしようと下りて行きましたが、8時で終了とのこと、近くのパラドールで食事をしました。
夜の部は王宮のみの見学です。一番乗りしてだれも来ないうちに撮影して回ったつもりが、露出不足で失敗でした。
朝は10時の入場です。王宮とヘネラリフェ見学で4時間を過ごしました。アルハンブラ宮殿内のアラネヤスの中庭と池。イスラム建築では中庭を軸として建物を配置するとのことです。
獅子のパティオを囲む回廊の柱上部に施された透かし彫り。
12頭のライオン像は修理中で見ることは出来ませんでした。
アルハンブラ宮殿を囲む城壁をいったん出て、ヘネラリフェへ行くことになります。丘の傾斜を利用して段差をつけた庭園の先にアセキアの中庭とパビリオンと呼ばれる小宮殿があります。ヘネラリフェはアラビア語で「建築家の庭園」という意味で、夏の間の別荘だそうです。
ヘネラリフェを出てアルカサバへは歩いていきます。
アルハンブラの敷地内では最も古い部分とされています。写真は兵士の宿舎や浴場などの土台が残るアルマス広場です。
アルカサバは高い塔で囲まれていますが、その一つ、ベラの塔の上部の鐘楼です。グラナダ市内が一望できます。
カルロス5世宮殿。
独立した建物で外部は四角形で中に円形の中庭が配置されています。見学は無料です。
アルハンブラ宮殿の夜景を見たかったので、32番バスでサンニコラス広場へ再度行きました。レストランで食事をしながらアルハンブラの点灯を待つことにしました。
午後9時50分、やっと日が落ち、アルハンブラ宮殿にライトが当たります。遠くシェラネバダ山脈の残雪と十三夜の月に感動しました。
アルカザバと麓の夜景。この次に来る時はアルバイシンに宿を取ってこの光景を一晩中眺めていたいと思いました。

June25 Gibraltar and La Linea de la Conception
グラナダからマラガへバスで行き、そこでラリネヤ・デ・コンセプシオン行きのバスにのりました。ラリネヤのバス停でホテルを探すのには一苦労しました。荷物を預けてジブラルタルを目指して歩きました。

ジブラルタルへのゲート。
入国審査場でパスポートを見せて空港滑走路を横切ると市内行きのバスが待っています。一日乗車券を買ってバスに乗りました。バスはケースメイドスクエア行きです。
ケースメイドスクエア
ここからずっと一本道の商店街が続きます。
ケーブルカーでターリクの山頂へ登りました。遠くかすかにアフリカ大陸が見えたような気がしました。
野生の猿がいる限り、ジブラルタルはイギリス領だと聞いたことがあります。
行先も決めずにバスに乗って終点近くで下り、運転手の指示通りに行くと崖を下りたところに小さな漁村がありました。カモメやいろんな鳥たちが人が近づいても恐れることなくたむろしていて、ここにいるだけでほっとする気になりました。
ラリネヤのホテルの部屋から雲ひとつない空に夕陽が落ちて行くのを眺めていました。

June 26 Algeciras and Cadiz
バスでアルヘシラスへ着き、フェリー発着所の時刻表を眺めながらモロッコのタンジェに日帰りしようかすまいか長らく思案の末、行くのをあきらめました。

アルヘシラスの港
バスでカディスに行くよう旅程変更。カディスは大西洋に出張った小さな半島で、街の入り口にあるゲイトをくぐって市内に入ります。
夏のリゾートとは気づかずにカディスに来てしまいました。土曜日で観光客、海水浴客でいっぱい。2時間以上かけて宿を探したが、どこも満室。泊まることをあきらめて市内一周の観光バスに乗り、夕方国鉄でヘレス・デ・ラ・フロンティアへ向かうことにしました。
観光バスの上からの写真です。

June26,27,28 Jerez de la Frontera
ヘレスの3日間。
ヘレスは閑散として街中はティオペペのマークでいっぱい。あまりにも多くの宣伝を見ると、ティオペペが大衆酒に思えました。
日曜日でも見学出来るボデカは、ティオペペのゴンザレス・バイヤスだけです。ガイドが英語とスペイン語の班に分かれて小さな汽車に乗ってボデカ内を見学しました。テイスティングするシェリーの数によって見学料が異なります。
月曜日の朝、待望のボデカ・トラディシオンに足を運ぶ。見学には予約が必要で、予約なしに行ったので1時間待たされましたが、素晴らしいボデカで、ルンルン気分になりました。オーナーの集めた絵も見せて頂来ました。
このシェリーは昔ながらの方法で作られ、750以上のアメリカンオークの樽に保存されているそうです。種類は、下の4種類のみ。
Amontillado 30 years (dry and salty)
Oforoso 30 years (softer)
Palo Cortado 30 years (softer and elegant)
Petro Ximenig 20 years (dessert drinks)

June 28, 29, 30 Sevilla
セビーヤ(セビリヤ)は国鉄で入りました。思ったより大きな街で、観るところも多く、大変気に入りました。グァダルキビール川はスペイン内で唯一船が航行出来る大河だそうです。

宿泊はサンタクルス地区にあるホテル・ムリーリュです。セビーヤ出身の画家にちなんだもので、ロビーには骨董品もあり、私の好みに合いました。
サンタ・イグレシア大聖堂(左)とヒラルダの鐘楼の塔(右)。大聖堂はゴシック聖堂としては世界最大のもの。中にコロンブスの墓もあります。
ヒラルダの塔内部の螺旋状のスロープを登って釣り鐘部分に設けられた展望所からは素晴らしい景色が一望できます。
同じく塔から見たレアル・マエストランサ闘牛場。
セビーヤ大学の本校舎はかつてタバコ工場だったそうで、オペラ「カルメン」の舞台となったところです。構内にはカルメンの写真が大きく飾られています。
スペイン広場
直径200mの半円状の建物で規模の大きさにびっくり。スペイン各県を表現した化粧タイルの装飾もめずらしかったです。修理中の水路が完成すると舟遊びも出来て楽しい遊園地になることでしょう。
サンタクルス街の中にあるロス・カリョスというタブラオで本場のフラメンコを見ました。残念ながら中での写真撮影はきんじられていました。
アルカザル
ローマ時代のアクロポリス。イスラム時代の要塞など歴代の王が改築を繰り返したといわれる宮殿です。
内部にはいたるところにアルハンブラを彷彿とさせる建物や庭園があります。
庭にはクジャクや鴨が放し飼いされています。
アルカザルのムデハル様式の庭園。
6月30日から9月12日まで毎晩10時から庭園でコンサートが行われていて、チケット売り場はアルカザルの出口にありました。
コンサートの1時間前に庭園は開放され、開始時間までワインを飲んだり庭園を散歩したりしました。

アンダルシアでの最後の夜を美しい音楽とすばらしい雰囲気で締めくくることが出来ました。
July 1
アンダルシアとお別れ。
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次の日セビーヤ空港から飛び立ち、バルセロナ地方で5泊、市内はもとよりモンセラットやカバのボデカなどを巡り、最後の5日はマドリッドに泊まって、無事に帰宅しました。(了)




 如何でしたか。日程も書かずに出かけてしまった夫にメールを送るけど、ろくすっぽ返事もよこさず、今度のスペイン旅行ほど気をもんだことはありませんでした。若い人ならともかく、トシヨリの一人旅ですからね、ホテルくらいは前もって決めて行ってもらいたいものですよね。すぐまた次の「放浪」を画策しているようです。私は、とてもとてもそんな旅行にはついて行けません。一人でパソコンの前で、あちこちの写真を見て、一人旅をしたつもりで楽しんでおります。皆さまもここの写真でスペインに行ったつもりになって下さると幸いです。
また来月お会いしましょう。




今月もこのページにお越しくださって
ありがとうございました。
また来月もお待ちしています。


洋々閣 女将
   大河内はるみ


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