玄関
  山本益博著 『味な宿に泊まりたい』
                   新潮社 1995年
 初出誌 「小説新潮」 1994年1月号〜95年6月号に連載
           洋々閣は94年2月号に掲載
    前略
「洋々閣」。 わたしははじめその名前から、玄界灘を眺める古風な由緒ある宿を想像していた。やってきて、いまは海こそ望めないものの、伝統によりかからず、気位など持たず、万事控え目ながら、折り目が正しいというもてなしが、この宿のなによりのご馳走であることが一晩泊まっただけでも十分にわかった。 こういう宿はいまや貴重で、九州のかけがえない財産ではなかろうか。
そう思って宿の名前を再び眺めてみた。
「洋々閣」。 いい名前である。
    後略

 玄関写真の右側の扁額は、
明治の伊万里出身の衆議院議長川原茂輔氏の揮毫によるものです。[閣々洋]と、右から左へ書いてあります。
 現在洋々閣で使用しているロゴの文字の原本である扁額は、「西の間」にかかっているもので、書家は今井凌雪先生です。
この玄関は大正元年に改築されたもので、それ以来殆ど変わっておりません。 土壁は中壁仕上げになっていて素朴な感じです。
敷台は欅の一枚板で135cm×158cmの板が二枚はってあります。
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